ほしい物ややりたいことを、家づくりで追究したいと思うのは自然なことでしょう。ただそれが可能になるのは、建て主の想いに応えられる、柔軟な対応力を持った工務店だからこそ。自由な設計でありながら住み心地良く、デザイン的な美しさも追及した N 様邸。趣味や好きなものに想いを込めるご夫婦とナルシマの幸運な出会いが、自分らしさ全開の家づくりを実現しました。
室内側の壁をガラスにしたガレージ。手前のカリモク60のKチェアはウイスキーの樽を再利用した限定品。
木製の玄関ドアを開けて一歩中に入ったときに、誰もが驚きの声をあげてしまうでしょう。正面はキッチンの奥まで見通せる端正な空間、そして右手のガラス越しに圧倒的な存在感を誇る大型のバイク。車やバイク好きの方なら一度は考える、ガレージ付きの家が、そこにあるのです 。
窓の配置にもこだわった外観。右の扉がバイク用です。
暮れ時になるとガレージの明かりが一層映えます。
自由設計という言葉の通り、自分たちの思いのすべてを注ぎ込んだ家づくりを実現された N 様。最初に考えたのはご実家に預けてあったバイクのことでした。バイクといっても輸入物の大型車。扱い方も難しく、ご本人でなければ分からないことも多々あります。そのため、早い段階からご自分で大まかな間取り図を描き、打ち合わせに臨みました。「見て楽しめること」が条件だったため、ビルトインガレージの室内側はほぼガラス張りに。リビングから大きな車体を見ることができます。配置されたツールボックスは、実用性は当然のことながら見せることを意識したもの。壁面に掛けられたポスター類もモノクロで統一し、バイクが映えるように、なおかつリビングから美しく見えるように考えられています。
現わしの高い天井は、ご主人がナルシマに決めた理由の一つ。
「バイクを見て楽しめるガレージ付きの家」から発想を広げ、使用する照明器具や家具の選定、配置まで徹底的に考え抜きました。たとえばリビングスペースは、ホテルのラウンジのイメージ。玄関を入ってすぐ、お客様を迎える場所でありガレージが一番よく見える場所であることから、プライベートな空間でありながら、ギャラリーにいると錯覚するような、非常感のあるスペースに。のびのび寛ぐというよりも、好きな時間を楽しむという設定を、 4 脚の K チェアが見事に演出しています 。
照明器具や家具はご主人が選んだもの。色調や質感が統一されて美しい。
家づくりを主に進めたのはご主人ですが、「好みはほぼ同じなので、まったく問題ありませんでした」とおっしゃる奥様。そんな阿吽の呼吸ぶりが垣間見えるのが、大工造作で設置したキッチン壁面の飾り棚です。整然と並ぶカラフルなマグカップは、よく見るとムーミンのシリーズ。「実は二人そろってムーミンが大好きで、グッズもヌイグルミも集めているんです」と笑います。休日はムーミンバレーパークに出かけたり、ネットショップで入手したグッズを飾ったりと、日々の暮らしを楽しまれています。
苦労して探した木調のアイランドキッチン。ダイニングテーブルは大阪からの取り寄せ。
収納棚は大工造作。既製の引き出しを合体させました。
奥様が一番好きな場所。リサ・ラーソンも大のお気に入り。
仕事から帰ってゆっくりと過ごすのが平日の楽しみ。
また、お二人とも音楽や映画が好きということから、2階のホールをシアタースペースに。寝転んでも大丈夫な大きなソファを置き、 1 階とはうって変わって、心も体もリラックスできる空間になっています。とはいえ、ご夫婦ともにお仕事を持っているため、大好きな家を満喫できるのは、休日か、平日のご帰宅後。「真夏の猛暑の時期は仕事から帰って、お気に入りのリビングの椅子に座るだけでほっとしました」とおっしゃる奥様。バイク好きのご主人も、現在は乗るよりも家にいて、見て楽しむことの方が多いそう。「ハーレー好きが集まってツーリングに行くと、新しいパーツが出たとか、新車の噂とか、余計な物欲を刺激されるため、バイクで一緒に遊びに行くのは会社の仲間だけ」と笑います。
奥様は乗らずとも、ご主人のバイク好きには共感しており、「二人とも好きなものに囲まれて暮らしている今が、本当に幸せ」と、ご新居での生活を心から喜んでいます。
2013年型のハーレーは入手後にブラックに塗装し直したもの。
階段の下には共用のパソコンスペースが。
AV機器は2階のホールに設置。休日は映画三昧、ということも。