こんにちは、住まい工房ナルシマの広報担当の本領です。
今回は、成島大敬社長に、建築を学び、都市や環境を研究した学生時代について、お話を伺いました。
本領:では引き続き、大学時代以降のお話を伺っていきたいと思います。大敬社長は東京大学の理科一類から、建築学科に進まれたんですよね?
大敬成島(以下、大敬):はい、そうです。理科一類で2年間教養を学んだ後、3年生から工学部建築学科へ進学しました。
本領:建築を選んだのは、小さい頃から興味があったから?
大敬:実はそれほど明確な意志があったわけじゃなくて。小学生の頃に「設計士になりたい」って作文に書いた記憶があるんですけど、それも父親の背中を見て漠然とそう思っただけだった気がします。進路を選ぶときも「建築かな」って、あまり疑問を持たずに選んだ感じですね。
本領:じゃあ、建築が大好き!というモチベーションではなかった?
大敬:そうなんですよ。実際、建築学科に入ってみると、周りは“建築が好きで仕方ない”って人ばかり。デザインに夢中な人や、夜通し模型を作っている人もいて、自分との温度差をすごく感じました。
本領:そこには苦労もあったのでは?
大敬:ありましたね。僕はどちらかというと勉強でなんとかするタイプで、デッサンとか美術は苦手でした。でも東大の建築は筆記中心で受験できたので、それが決め手だったというのもあります。
本領:大学院では都市計画を学ばれていたとか。
大敬:はい。東大の柏の葉キャンパスにある「新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻」という、建築以外にも広く社会や都市のあり方を学べる専攻に進みました。大野秀敏教授の「2050年の東京をどう描くか」という研究に惹かれて、そのゼミに入りました。
本領:住宅というより、都市という“全体”に興味が向いていったんですね。
大敬:そうですね。今思うと、建築の「モノ」をつくることよりも、「人がどう暮らすか」「空間がどう機能するか」みたいな視点のほうに関心があったんだと思います。
本領:学生生活としてはどんな感じでしたか?
大敬:正直、めちゃくちゃ不真面目でした(笑)。研究室に泊まり込んで模型を作るというよりは、雑談して気づいたら朝、みたいなことが多かったですね。もっと真剣に勉強しておけば…って今でも思います。
本領:それでも、いまの仕事に繋がっている部分もきっとありますよね。
大敬:はい。遠回りだったかもしれませんが、「都市」や「環境」について学んだことが、いま住宅を考えるときにも活きていると感じます。建物単体ではなく、暮らしの全体像を意識するという点では、あの時の経験は大きいですね。
本領:ありがとうございました。次回は、社会人としての経験、そして家業を承継する経緯についてお聞きしていきたいと思います。
大敬:よろしくお願いします。