こんにちは、住まい工房ナルシマの本領です。
今回は、ナルシマが新たに発表したコンセプト住宅「素地(SOJI)」について、その開発ストーリーを成島大敬社長に伺いました。
■「SOJI」という家のはじまり
本領:では早速ですが、「SOJIの家」を開発することになったきっかけを教えてください。
大敬社長:もともとは、ある工務店の勉強会に参加した際、建物の構造について研究されている方の話を聞いたのがきっかけでした。構造を整理することで、強さと合理性の両立ができる。しかもコストダウンにもつながる、という話だったのですね。
ただ、私たちが今までやってきた家づくりは、お客様のご要望を丁寧に聞き取って、その都度最適な間取りをつくっていくというスタイル。ところが、要望をそのまま反映していくと、構造的に柱が太くなってしまったり、無理のある組み方になってしまったりすることもある。
そこで、「構造は私たちであらかじめ整理して設計し、その中でお客様のご要望を反映できるようにする」という新しい考え方が生まれました。
本領:構造が先に決まっているという発想は、少し驚きです。これは自由度がないということではなく、むしろ“最適化された自由”という印象ですね。
大敬:まさにその通りです。実はこの発想の背景には、震災の体験もあります。
建物が倒壊してしまうと、ただ家が壊れるだけではなく、道路がふさがってしまい、避難や復旧活動が困難になります。つまり、建物の強さは自分の命を守るだけでなく、地域のインフラやコミュニティ全体を守る力にもなるのです。
私たちは“強さ”を求めつつも、必要以上に壁を立てて空間を狭くするのではなく、開放感ある暮らしを大切にしたかった。
だから、耐震性・構造強度を確保しながら、快適で美しい空間を実現できる家を目指しました。
■「大空間」と「構造先行の発想」の融合
本領:ナルシマの家は、以前から間仕切りの少ない“大空間”を大切にしてきましたよね。
大敬:そうですね。間仕切りがなくても、家全体が快適に保たれる高気密・高断熱の性能があるからこそ、それが可能になります。
さらに今回は、その“快適な大空間”に、構造の合理性という新たな軸を加えることで、より洗練された家がつくれると思ったのです。
大敬:実は私が今住んでいるナルシマで建てた家も、可変性のある家なんです。家族の成長に合わせて、必要なときに仕切りを足したり、不要になれば取り外したりできる。
この考え方も「SOJIの家」にしっかり引き継いでいます。
本領:これまでも実践されてきた思想なのですね。「SOJIの家」は、ナルシマのこれまでの家づくりの延長線上にありながら、構造先行の発想を加えることで、より完成度の高い提案になっているということですね。
■「SOJI(素地)」は、未来の“暮らし方”を拓く家
大敬:そうなんです。私たちがつくってきた家の原点に立ち返りつつ、より“確かな構造”を土台にした新たなスタイル。それが「SOJIの家」というコンセプト住宅です。
単なるスケールメリットでも、画一的な企画住宅でもありません。
「住まいの質」「安全性」「美しさ」「合理性」すべてを追求した、ナルシマらしい提案だと自負しています。
本領:今日は、「SOJIの家」誕生の背景を丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。構造から考える家づくりの思想が、ひとつの形になっていることがよくわかりました。
大敬:こちらこそ、ありがとうございます。また続きもぜひ語りましょう。
次回の社長ブログでは、「SOJIの家」の暮らしのイメージについて、さらに深掘りしてお届けします。お楽しみに。