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ブログ 2025.11.18

「ムニ」─古民家を蘇らせた、もうひとつの居場所

「ムニ」─古民家を蘇らせた、もうひとつの居場所

こんにちは。今回は、私たちが手がけたリノベーション施設「ムニ(MUNI)」をご案内します。
明治時代から続く古い家屋を活かして、新しい価値を吹き込んだ場所。
懐かしさと新しさが同居する、まさに“無二”の空間です。

古民家の記憶を残しながら、生まれ変わった空間

中に入ると、まず目に入るのは大きな梁。
これは明治時代からのもので、当時の大工の技がそのまま息づいています。
曲がったままの木の形を活かし、一本一本が「生きている」ようです。

床はすべてヒノキのフローリングに張り替えました。
もともとは畳の部屋や襖で仕切られた空間でしたが、すべてを取り払い、一体の広がりを持たせています。
以前は事務所や作業場として使っていた部分も、土間空間に生まれ変わりました。
会長宅で使っていた大きな一枚板のダイニングテーブルも再利用し、ムニの雰囲気にしっくりと馴染んでいます。

 快適な「古民家リノベーション」のモデルとして

古民家はどうしても「冬は寒く、夏は暑い」というイメージがあります。
ムニの改修では、そこを大きく変えました。
床と天井にしっかりと断熱材を入れ、冬も夏も快適に過ごせるようにしています。
「 古き良き意匠を残しながら、現代の暮らしに合う快適性を実現する」
これが今回のリノベーションの大きなテーマでした。

ウッドデッキでつながる新しい縁側の時間

もともと室内の廊下だった部分を、思い切って外に開き、ウッドデッキ(縁側)として再生しました。
洗濯物を干したり、物置になっていた場所が、今では光と風が通り抜ける開かれた憩いの場になっています。
屋根のかかった縁側は、天気に左右されず過ごせる心地よいスペースです。

受け継がれた大工の技と、木の生命力

天井を高く貼り替えることで、古民家特有の「低く暗い」印象を一新。
見上げると、当時の大工が手仕事で組み上げた梁の構造がよく分かります。
一本一本異なる木材の形を生かして組まれており、「木と人が対話してできた建築」そのもの。
明治期の大工の知恵と工夫が、今もこの空間に息づいています。

地域とつながる「ひらかれた場所」として

ムニは、ただのリノベーションモデルではありません。
地域の人たちが集い、語り、体験できる「開かれた場所」として活用しています。
ワークショップやイベント、撮影、打ち合わせなど、多目的に使えるレンタルスペースとしても開放しています。

古民家のぬくもりと、現代の快適さ。
どちらも大切にしながら、地域の暮らしに寄り添う「もうひとつの居場所」。
それがムニです。